貴族は生きにくい 太宰治 斜陽 感想


僕が太宰治の小説を読むキッカケになったのは、「野崎まど」先生の小説、
「ファンタジスタドール・イヴ」に太宰治の「人間失格」オマージュが用いられていると聞いて興味を持ったことでした。

始めは代表作である「人間失格」を読んだのですが、主人公のどこかペシミズムやニヒリズムめいた生き方に深く共感し、大変気に入りました。

そうして、今回「斜陽」を購入したわけです。

斜陽は29歳の離婚歴のある女性が主人公であり、その女性の母や弟との死別、恋と革命がテーマの小説です。

主人公も、その母親も弟も貴族であり、戦後の混沌とした空気に上手く馴染むことができず。
特に主人公と弟の直治は苦悩を抱えています。

自分で言うのもなんですが、僕もどちらかというと育ちがよく家が裕福な方であったため、
主人公や直治、特に自殺に至った直治の気持ちには深く共感できるように思いました。

直治は戦争に行くものの、アヘン中毒になって帰還し、その後も酒を飲んで遊んで回りますが、
その心の内はマトモにもなれず、かといって放蕩していても楽しくもないといった悲痛なものでした。

そのことは直治が主人公に向けて書いた遺書から伺えます。

また主人公は主人公で、畑仕事などをしてみるもどうにも虚しく、尊敬していた母親も亡くなってしまい、貴族が故の悲しみ、苦痛を背負っているのですが、恋をしていた相手の子供を授かることで、
革命とも世間への反抗ともいえる姿勢をとることになります。

最初は泣き言が多かった主人公でしたが、想い人である上原さんに会いに行くあたりから徐々に芯の強い部分を見せ始め、最終的には恋という名の革命に生きたことが深く心に残りました。

斜陽は人間失格ほどメジャーではありませんが、文章の美しさやどこか陰鬱とした雰囲気はとても魅力的であり、面白い小説であると思いました。

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斜陽 他一篇 (岩波文庫) 文庫 – 1988/5/16

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